≫ 【2週間無料!】初心者でもホームページが作れる!高速・安定・快適なレンタルサーバー
たわいのない会話の中に、急に緊張感が走る時がある。それは自分のセンスを問われる質問をされた時だ。「好きな映画はなんですか?」「普段どんな音楽を聞くんですか?」「どんな本を読むんですか?」という質問。試されている、自分がどんなセンスの持ち主なのか試されている、と脂汗が出てくる。
たとえば、正直に答えるとする。とても仲の良い友達との会話であればそれでいいだろう。「お前そういうの好きなんだ」「意外だな」「分かる、俺も好きだわ」というような会話も生まれるし、「え、そんなのがいいの?」となった時も、「あれはね、内容というか映像なのよ、メタファーなの、その表現が素晴らしい」とかとフォローで話も盛り上がることもできる。
問題はまだ仲良くない相手や、この人に好かれたいな、と思った時。そんな時にどう答えるのかが問題なのだ。「好きな映画はなんですか?」の模範解答はなんだろう。超大作映画を答えるとあんまり映画とか見ないのかな、と思われそうだし、単館系の映画を答えると「知らないです」と答えられ、話が盛り上がらない可能性もある。
好きな映画の模範解答
「どんな本を読むんですか?」という質問はたやすい。難しそうな小説を挙げても問題ない。すぐに読むことはできないので、むしろ知的な印象を相手に与えることができる。
私は「結局、カラマーゾフの兄弟なんだよね」か、「結局、チェーホフのサハリン島なんだよね」と答えている。ちなみに共に私は読んでいない。家にあるけど字が小さくて読んでいないのだ。でも、なんか知的っぽいからそう答えている。相手が万が一読んでいた場合は「面白いですよね、それであなたはどんな本を読むんですか?」と華麗に切り替えす。
逆に映画は見ようと思うとすぐに見れちゃうのが問題なのだ。今はサブスクリプションとかあるので、より簡単に見ることができる。だからこそ自分のセンスが丸裸になってしまう。なんと答えればいいのか。ただ私は答えに行き着いた。
「結局、バック・トゥ・ザ・フューチャーなんだよね」
これが答えだ。ポイントは「結局」と頭につけて、語尾的に「なんだよね」と言うこと。いろいろ観た感じがするからだ。さらにバック・トゥ・ザ・フューチャーは誰もが観たことがあり、さらに誰もが認める作品。それを「結局」とつけることで、巡り巡って行き着いた答えのように感じる。これが模範解答なのだ。
「結局、バック・トゥ・ザ・フューチャーなんだよね」
好きな音楽の模範解答
「普段どんな音楽を聞くんですか?」の答えは簡単。極論、なんでもいい。その理由として思い出を絡めることでなんでもありになるのだ。本や映画とは異なり、音楽は街中で流れてくることもあるし、ラジオやテレビなどでこちらの意思とは関係なく聞くタイミングが溢れている。そのために思い出さえ絡めればなんでもいいのだ。
たとえば、
うちの母親、俺が大学生の頃に病気になって入院したんだよね。その頃、俺はもう上京していたから、なかなか母のお見舞いに行くこともできなかったんだけど、夏頃に母が一時退院で家に戻って、俺も夏休みだから実家に帰ったんだよ。久しぶりに会うんだけど、顔色がよくなってるの。一時はもうダメかと思ったからさ。久々に母親が俺の好きな料理作ってくれて、その時に手伝うよって近づいたら、母親が鼻歌を歌ってたの。母親も退院や俺に会えたのが嬉しかったんだろうね。その鼻歌が「イイ波のってん☆NIGHT」だったんだよ。一緒に踊ったもんね。それ以来、その曲が好きなんだよ。CD3枚持ってるよ。
はい、これです! なんかいいでしょ! 音楽はこのような方法を使えば、なんでもいけるのだ。
センスを問われる質問
そんなセンスを問われる質問のひとつに「どの国が一番良かったですか?」というのがある。ハワイやグアムだと深みを感じない気がするし、ニューヨークやヨーロッパだとミーハーな感じがする。ギニアビサウやイエメンだと攻めすぎている。ちなみにどの国もとてもいいのだけれど、あくまで自分のセンスを高めるという意味での場合だ。
チリがいい、マジでいい!
「どの国が一番良かったですか?」の答えは、
「結局、チリなんだよね」
である。絶妙だと思うのだ。小学校の社会の時間を思い出すと、地図帳を見ながら「細長い!」と盛り上がった。また日本のほぼ裏でもある。知ってはいる国なのだ。
南極に行く際の出発地点もチリである。スーパーに行って鮭の切り身を見ると、チリ産が多い。モアイがあるイースター島もチリだ。パタゴニアというブランドの服を着ている人もいるだろう、パタゴニアはチリだ。
そう、チリは誰もが知ってはいる国なのだ。ただ行ったことがある人は少ないだろう。日本からの直行便も飛んでいない。そういう意味で絶妙なのだ。だからこそ、答えは、「結局、チリなんだよね」となる。
ただこれは私の本心で、もし日本以外で住むならどこがいい? と問われれば「チリ」と答える。首都である「サンティアゴ」は非常に栄えており、治安も悪くない。そして、私が好きな「プンタアレーナス」や「プエルトナタレス」という街は、静かで、冷たい海風が家に吹き付ける景色に心が震えた。私は寒い国が好きで、冬にチリに行ったのが良かったというのもあるけど。
冬のプエルトナタレスを歩く。人は少なく空は曇り空。冷たい風が吹き、平屋の家々は静まり返り、海には知らない鳥が浮かんでいる。そのような雰囲気がたまらなくいいのだ。到着した次の日に私は言った。
「住もう」
それぐらいにいいのだ。
チリは食事が美味しい
チリが素晴らしいもう一つの理由は、食事が美味しいということだ。パイラマリーナという海鮮スープはたぶん世界一美味しい料理。ちなみにプンタアレーナスにある「El Mercado Restaurant」というお店が美味しいので、ぜひ行ってください。
さらにオススメなのがハンバーガーなのだ。日本のハンバーガーはバンズにパティが挟まっている。厳密には違うのだろうけど、パティはハンバーグみたいなことだ。日本でハンバーガーと言えばほぼそれだ。
そもそもハンバーガーは1850年代にアメリカで誕生したもの。もともとはイギリスから伝わったバンズにハンバーグステーキを挟んでいたけれど、のちにパティが発明されると爆発的に流行した。ハンバーグステーキにしろ、パティにしろ共通しているのはひき肉を使うことだ。ちなみに、パティは1910年代にドイツ移民がアメリカに移住した際に伝えたそうだ。
ただチリのハンバーガーは違うのだ。チリでハンバーガーを頼むとバンズに肉が挟まれたものが出てきた。ハンバーグステーキではなく、パティでもなく、肉なのだ。ひき肉ではないのだ。
衝撃だった。私は長年、バンズに挟まるものは、豚にしろ、牛にしろ、パティだった。ひき肉なのだ。フィレオフィッシュというパターンもあるけれど、それは考えないものとする。基本的にはひき肉を薄く丸めたものなのだ。
しかし、チリでは異なる。肉なのだ。薄めの肉。これの何が素晴らしいって、肉の味がすること。肉を食べている感じ。そこにバンズが上手く絡み合い、衝撃的な美味しさとなる。どのくらい衝撃かというと、毎日2回はこれを食べ太って日本に帰ってきたほど。
さらにアボカドが一緒に挟まっていることが多かった。それがまたいい。本当にいい。日本にこのタイプのハンバーガーを出すお店がないこと(私が知らないだけだろうけど)を非常に惜しく感じた。
チリに行って数年経ったのだけれど、思いついたのだ。作ればいいんだ、と。むしろパティを使わない分、作るのが簡単なのだ。材料はバンズ、牛肉、アボカド、ケチャップ、醤油だけ。ちなみにマクドナルドで「普通にハンバーガーのお金払うので、バンズだけ売ってもらえますか?」というと売ってもらえる。
作り方は簡単。まずアボカドをスライスする。そして、肉を焼く。その肉の残り汁的なのに、ケチャップと少しの醤油を入れればあとは組み立てるだけだ。かわいいエプロンをした私にも簡単に作れてしまう。
ソースは我流だ。肉を焼いた直後のフライパンにケチャップと醤油を入れれば、間違いなく美味しいソースができる。万能ソースなので、今回はそれを採用した。その結果、チリを抜くレベルのハンバーガーになった。
これが美味しいの。ハンバーガーでは感じることのできなかった、いい感じの肉の味がするのだ。パティでは感じることのできなかったワイルド感があるのだ。野生を取り戻した感じ。大地に放たれた感じ。それがこのハンバーガーにはある。野生を感じたいと思ったらこれだ。
レンタルサーバといえば?
ちなみに「一番いいレンタルサーバは?」と聞かれた場合の答えは簡単。
「さくらインターネット」 「結局」も「なんだよね」もいらない。いろいろなサービスもあって便利だから。私も本当に使っている。なんだかんだで、一番「わかっているな」という答えが「さくらインターネット」だと思う!