こんにちは! たけもこです。 連載2回目となる今回は「働き方」という、少々大きなテーマについてです。最近考えていたことや、私がパラレルワーカーという「働き方」を選択した経緯などを書きつつ、自分に合う「働き方」を考えるにあたって、野球のプレースタイルで例えてみたりしてます。
「働き方」がテーマであることへの違和感
さて、前回の記事でも少し自己紹介をしましたが、私は企業に勤める一方でモデル・タレントやライターのお仕事をする、いわゆる「パラレルワーカー」です。最近ではありがたいことに、「働き方」をテーマにイベント登壇や執筆のお仕事をいただくことが増えました。ただ、「働き方」について考えるとき、話すとき、モヤモヤとひっかかる違和感がずっとありました。
モヤモヤを紐解くにあたり、まずは「働き方」という抽象的な言葉の解像度をもう少し上げていきます。「働き方」とは読んで字のごとく「働く方法」です。さらに言うと、「パラレルワーク」とは、他にも「起業」や「本業1本」、「時短勤務」、「副業」、「フリーランス」など、多様に働く方法が存在する内の一種に過ぎません。
「パラレルワーク」が方法の一種である以上、質問への回答のすべては使い手に依存します。感覚としては商品レビューです。商品を使ってみてどうだったか、メリットデメリット。商品レビューで星5つを付ける人もいれば、星1つを付ける人がいるように、人によって感じ方や、合う・合わないが出てきます。
以前、就活生の方にこのような質問をいただくことがありました。
「副業をしたいのですが、どのように会社選びをすればよいでしょうか」
恐らく、この質問を受けたときに違和感が発生したのだと思います。
「副業」が手段である限り、目的がセットで話されないことには解決ができないのではないか。その人にとって「副業」という選択はベストなのか。と考え始めてしまったのですよね。「個の時代だ!」「副業は新しい働き方だ!」と時代が動き始めている中で、いわゆる手段が目的化している方も多いのではないか、という仮説が浮かびました。
仮説が実際にあるとするなら、「働き方」をテーマに私が「パラレルワーク」という手段についてお話するのは、なんとなく不誠実な気がして、これこそがモヤモヤの原因でした。
とはいえ、「副業をすることそのものを目的にすべきではない!」という主張は自分で書いていても、少々きれいごとだなと感じます。「副業がしたい!」という欲求そのものを否定するつもりはありませんし、1つのアクションとして素晴らしいことだと思います。人によっては理由もさまざまで、「金銭的に本業だけでは厳しいから」という方もいらっしゃるでしょう。
私がこれから伝えたいことは、どちらかというと漠然と「副業やりたいなー」と考えている方向けだと思っています。自分にとってのベストな「働き方」を考えるうえで、1つのヒントになれば幸いです。
わたしのはなし
私が「パラレルワーク」という手段を選択したのは、就活生の時です。2つの理由から、軸の1つとして「副業可」の企業を中心に探していました。
1つ目は、未来の自分へ可能性を残すためです。就活当時「やりたいこと」の明確な答えがでなかった私は、いつか「社内での実現は難易度が高いが、挑戦したいこと」が出てきた際に、すぐ実行できる環境に身を置きたいと考えました。
さまざまなことに興味が湧く自分の性格上、「社内での実現は難易度が高いが、挑戦したいこと」はほぼ確実に出てくるだろうし、出来ない理由を環境のせいにしたくないとも思っていました。結局入社と同時に副業申請をすることになり、その未来はすぐにやってきたので、やっぱり自己分析は大切ですね(笑)。
2つ目は、企業と自分の相性を考えるヒントに成り得ると考えたためです。まだまだ副業を解禁している企業が少ない中、導入できているということはそれだけ変化に柔軟であり、今後も世の中に変化が起きた際の対応スピードは早いだろうと考えました。
ちなみに面接時のスーツ着用への姿勢に関しても、同じ視点で考えていました。当時どう考えても、スーツを着なければいけない理由が分からなかったので、スーツの着用を強制している企業とは価値観が合わないだろうな、と思いました。スーツ着用についての良い悪いを述べたいわけではなく、人間の性格がふとした行動に現れるように、企業の性格も、制度や、取り組もうとしていることなどの姿勢に現れるのではないかと思ったのです。
1つ目の理由の中で述べたように、「やりたいこと」こそ明確にはなかったものの、「新しいことに挑戦したい」というスタンスが明確にあったので、面接でもそこは一貫して伝えていました。つまり、ただ単に「副業をしたいから、副業ができる企業に入社したい」わけではなく、「新しいことに挑戦する手段の1つとして、副業ができる可能性を持っておきたい」というスタンスだったのです。
「スタンス」×「ポテンシャルの最大化」
自分の例を出してしまい若干寄り道してしまいましたが、言いたかったことは、パラレルワークやフリーランスなどの手段は、スタンスを貫くためのものであるということです。「働き方」についての選択は、スタンスを前提に選択肢を広げた上で、おこなうべきだと思っています。
しかし、私の場合の「新しいことに挑戦したい」というスタンスのみを考えれば「フリーランス」も「起業」もズレてはないですよね。スタンスを定めた後の意思決定をどのようにおこなえばよいのか。自分の「ポテンシャルの最大化」について考えることがカギになると思っています。
「ポテンシャルの最大化」について考えるために、「働き方」を野球の「プレースタイル」として例えてみます。
現在メジャーリーグで大活躍されているロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手(以下、大谷選手)。大谷選手は通称「二刀流」として、バッティングもピッチングも優れている選手として知られていますよね。もちろん大谷選手の才能と努力あってこそですが、ここまで活躍できたのは「二刀流」という「プレースタイル」も大きく関係しています。
ここで念のため、大谷選手をよく知らない方のために、大谷選手の経歴を簡単に(恐縮ですが)ご説明します。大谷選手は高校生のときからとても目立つ存在で、ピッチャーとして高校生史上最速となる160キロを記録したり、同時に高校通算56本塁打を放った優れたバッターでもありました。高校卒業後は、そのままメジャー進出の意思を一度は表明したものの、最終的には北海道日本ハムファイターズへの入団を決意します。
一度表明したメジャー進出の背景にはさまざまなお考えがあったとは察しますが、大谷選手に関するインタビュー記事を見ていると、「誰も歩いたことのない道を行ってみたかった」という思いがあったと書かれています。「誰も歩いたことのない道を行ってみたい」という気持ちこそ、大谷選手のスタンスです。
高校卒業と同時にアメリカへ進出する、という選択肢と、日本ハムからの「二刀流」という提案。両者とも、大谷選手の「誰も歩いたことのない道を行ってみたい」というスタンスに沿った選択肢だと言えると思います。そして先ほどご紹介した通り、大谷選手は最終的に日本ハムへの入団を決意します。
このようにスタンスに沿った上で広がった選択肢から、1つを選ぶ際のヒントとなるのが、「ポテンシャルの最大化」です。「ポテンシャルの最大化」のために私が一番大事だと思っている要素は、自分に期待してくれる身近な他者の存在です。仕事をはじめ、全ての物事は他者との関わりで成り立っているので、環境を形成する重要な一部である身近な他者は、非常に重要です。
例えば、大谷選手に「二刀流」を提案した日本ハムからは、大谷選手の能力への期待しているからこその、理解の姿勢を感じます。メジャーを目指している選手に対して、どれだけプロ野球の魅力を語っても的外れです。「二刀流」という新たな提案は、大谷選手なら成し遂げられるだろうという能力への期待とともに、大谷選手がどういう選手なのか、なぜメジャーへ魅力を感じているのか、理解をしようと試みた結果だと思います。他者からの期待は、自分だけでは切り開けない道をも生み出すのだと強く感じました。
「ポテンシャルの最大化」については他にも要素が挙げられますが、どんな働き方を選んだとしても共通して重要なのは身近な他者の存在です。スタンスを決めて選択肢を広げ(または絞り)、ポテンシャルの最大化方法を考える。逆に今の自分があるのは、誰の影響を受けたからなのか、どのような環境であれば力を発揮できたのか、などを振り返ってみて、スタンスを探ってみるのも1つの手かもしれません。
まとめ
「パラレルワーク」と「二刀流」という例を出してしまったため、複数のことをおこなうのがよい、と見えてしまうかもしれませんが、決してそうではありません。言わずもがな、本業1本で誰よりも結果を生み出すことも、素晴らしい価値です。
やりたいことが明確になかったとしても、まずは「スタンス」を考える。現在地を知ることで、大体どの方角に進めばよいかの方角が定まります。なんとなくでも大丈夫です。もしかしたら、今まで歩いてきた道とは全く違う方角で、不安になるかもしれません。でも、その「スタンス」に「ポテンシャルの最大化」をかけ合わせて考えれば、きっと自分の可能性にワクワクできると思います。
今後、パラレルワークをはじめ、プロジェクトアサイン型など働き方もどんどん多様化していくと思いますが、働き方に流行という概念はありません。選択できる手段が増えた、という感覚でいることが大事です。「働き方」について考える際、「スタンス」×「ポテンシャルの最大化」を1つのヒントにしていただければなと思います。
最後に私事ですが、先月の5月28日で24歳を無事に迎えることができました! なんだか23歳と24歳って全然ちがいますよね。グッと大人感が増すというか…。
いつも、見ていてくださる皆様、ありがとうございます&24歳の竹本萌瑛子も、どうぞ宜しくお願い致します(´・ω・`) 来月もまたお会いしましょう~!
執筆
竹本萌瑛子(たけもこ)
熊本県出身。現在はヤフー株式会社にてデジタル広告を扱う部署に所属。
SNSやイベントなど、マーケティングコミュニケーションを軸とした業務に従事する一方で、モデル・タレント・ライターなどパラレルワーカーとしても活動中。
X(@moeko_takemo)で、自身の野球少女時代の写真をユニークなコメントと共に投稿。大きな反響を呼んだことをきっかけに、活動範囲を拡大している。
Instagram : https://www.instagram.com/moeko_takemoto/
※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。
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