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「ユーモアメイカー」 岩崎う大のネタ作りを一緒に体験しよう!

こんにちは。かもめんたるの岩崎う大です。僕は最近流行のユーモアメイカーです。ユーモアメイカーってご存じですか? 要するに様々なジャンルでユーモアを生み出す職業です。僕は、お笑い芸人でありながら、劇作家、演出家、役者、漫画家などの肩書きを持っておりますが、その全てにおいてユーモアを表現しております。

最近では建築デザインなどにもユーモアの要素を取り入れたいというニーズが多く、僕はユーモアは全ての表現に介在するものだと考えております。  

すいません。ユーモアメイカーって言葉は僕が二分前に作った言葉です。前の数行ウソです。ごめんなさい。

でも、ユーモアって本当に人間の営みがあればその全てに存在していると言っても過言ではないのです。なので、今日も僕がどのようにユーモアを生み出しているか、ネタを考えているか、それを紹介していきたいと思います。

単純に、どんな風にへんてこりんなこと、気持ち悪いこと、馬鹿げたこと等を大真面目にひねり出しているかを、旬なテーマをお題に四コマ漫画を作ることで一緒に体験してもらおうという企画です。  

今回のテーマは「梅雨」とします。

まずは、梅雨にまつわるイメージを挙げていきましょう。ユーモア、笑いには共感が必須なので一般的にある梅雨のイメージをどんどん挙げていきます。

「ジメジメ」「鬱陶しい=嫌がられてる」「傘のある風景」「晴れ間が貴重」「食料がカビる」「晴れの日が続くとそれはそれで心配」。

「晴れの日が続くとそれはそれで心配」というのが出てきました。これは、「梅雨」のイメージとして一個目もしくは二個目に出てくるものではないですよね。これはイメージの掘り下げがされていった結果です。そしてこの「晴れの日が続くと~心配」というのは、人間の勝手さ、かわいらしさ、など含まれている。ユーモアポテンシャルの高い「あるある」だと言えます。これはそのまま四コマ漫画にすることができそうです。  

実際にまんま漫画にしたのがこちらです。

「梅雨」

意外と形にするのに苦戦しました。「晴れの日が続くとそれはそれで心配」という、あるあるっぽいイメージは味わい深いのですが、インパクトには欠けるタイプの面白さですよね。それをそのまま表現するとすごい地味になってしまう。つまり普通になってしまうことに気付きました。

なのでインパクトを出すために、派手なキャラに出てきてもらいました。ロン毛のチャラ男君です。いかにも雨嫌いってほうに振り切れてる彼が、雨が恋しくなるというギャップにかわいらしさが出ると、おもしろくなると思ったからです。

あと、時間の流れを表現するのも意外と難しく、結局お天気キャスターを立てて、テロップで「一ヶ月後」って入れちゃいました。このように思いついたユーモアを出力するためには色んな所に気を遣わないと達成できません。描いてるうちに違うユーモアになってしまっていてもそっちで成立してればそれはそれでいいんですけどね!

では、今度は上で出した「食料がカビる」というくくりの中で起こりうるユーモラスな事柄を考えてみましょう。今回のテーマは「梅雨」ですが、「食料がカビる」をテーマに置き換えても、一コマ目に「梅雨の時期はカビやすい」とかナレーション入れとけば、うまく繋がるはずです。

「食料がカビる」を掘り下げるために、思いつくイメージを挙げていきましょう。さっきと同じ作業ですね。「カビてカラフルになる」「気付かず食べちゃう」「カビの新種発見」「味がおかしくなる」「見た目最悪」「カビでホワホワしてる」「どれもカビてるんじゃないかと思えてくる」 

一個思いついたので描いてみます。

「時期」

これは、「どれもカビてるんじゃないかと思えてくる」という文章を書いてるときに、ふと頭に「カビてるのが通常のブルーチーズとかどう見えるんだろ??」が浮かんできて(本来の「食料がカビる」を掘り下げる道筋からは少々脱線気味ですが)、それから「梅雨の時期にブルーチーズは美味そうに思えないだろうなぁ」と思って、その発想が好きだったのでもう漫画にしちゃいました。

こうやって、順序立てて考えてたつもりが勘で鉱脈を探り当てたときは一気にそっちにシフトを切ってしまうのが経験上、吉と出ることが多いです。 最後のコマですが、「この時期のブルーチーズは不味そうだ」というのはとても分かり易いオチですが、他にも候補がありました。

・「この時期のブルーチーズは、もうよくわからない」

これには、はっきり言わない良さがありますね。「純粋に美味しくは食べられない感」というところはちゃんと表現出来てるし、好きです。

・「この時期のブルーチーズは、ちょっと申し訳なさそうだ」

言い切ってしまえば、絵がそう見えてくるし、成立しますよね。ブルーチーズがかわいく見える感じが面白いです。

では、最後に色んなオチパターンを考えていて、同じ絵で全く違う四コマになることに気付き、それが凄い僕っぽい四コマだったんでそれを紹介したいと思います。

「時期」

「なんでだよ!」というしかないオチで好きですね。どうでしょう。男性の印象が全く変わりましたね。三コマ目の汗の意味が全く変わってくるのも面白いですね。でも、なんとなくこういう思考の人はいそうじゃないですか?これが全く理解できない思考だと面白くないし、成立しないんですよね。

そもそも考えてた「不味そう」からその逆に振るだけで、何か凄い「ぶっ飛んでるねえ!」と言われそうなモノができあがっちゃうんですね。発想を飛ばしたいと思う人は突き詰めたものを単純に逆に振るだけで意外とできたりするかもしれませんよ! それではまた次回!

 

 

執筆

岩崎う大

早稲田大学政治経済学部卒業。「かもめんたる」として2013年にキングオブコントで優勝する。お笑いだけではなくナイロン100℃に出演するなど舞台・役者・脚本・作家などジャンル問わず、多方面に活動の幅を広げる。自身が立ち上げた劇団かもめんたるでは作・演出・出演をこなし、八嶋智人氏などの数多くの役者から出演オファーが殺到するほど人気劇団に急成長している。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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