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SNS依存を克服する方法! ペルソナを召喚してSNS消耗を避けよう

ペルソナを召喚してSNS消耗を避けよう! SNS依存を克服する方法

「いつのまにかつぶやきすら大声になってしまった」というCMがある

Twitter、フェイスブック、インスタグラム…ソーシャルネットワークサービス(SNS)を利用している人が多い。疲れやウザさを覚えている人も多いように見える。取り憑かれたように一日中眺めている人も珍しくない。ツールは人生を便利にするためのもの。ツールに人生を乗っ取られるのは、本末転倒だ。

一時期の僕もヤバかった。Twitterのタイムラインが気になって、退屈な会議中や食事中にタイムラインをチェックしていた。風邪をひいて一日ダウンして復帰したとき「あ、この人たち、僕がいなくても変わらないのだな」と気づいて、Twitter廃人への道から降りられた。

それでも、ついついSNSを眺めてしまっているときがある。僕は、SNSに消耗して人生をムダにしないために、二つのペルソナを使い分けることで、SNSと適正な距離を保っている。今日はそのお話をさせていただきたい。

SNSがなぜ気になるのか、どうしてやめられないのか

「SNSが気になる」「ヤメられない」という状態に陥るのはなぜか。それは「世界から置いていかれるのが怖い」という心理が働くからだ。過度に孤独を恐れているともいえる。Twitterを例にすると、タイムラインは世界や世の中であり、その世界から離れてしまうことに孤独を覚え、不安になり、離れられなくなる、ということ。

確かにタイムラインは猛スピードで流れている。そこから取り残されてしまうと不安になる。わかる。だが、冷静に考えてみよう。そもそもタイムラインは世界や世の中なのか。その認識自体がおかしいのではないかと。

結論からいってしまうと、あなたが毎日気になって眺めてしまっているタイムラインは世界や世の中ではない。別物。あなたのタイムラインは、あなたが作り出した、あなたの願望や希望が生み出した、あなたにとって都合のいい世界である。

実際、ほとんどの人はアカウントを取得すると、友達、好きな芸能人・レイヤー、お世話になっているセクシー女優、政治信条に共感している政治家等々をフォローしているはずだ。趣味趣向を反映させてタイムラインを構築している。

「そんなことはない。私は自分にとって都合の悪い意見を吐く人や、思想の異なる人をフォローしている」という反論もあるかと思う。だが、そうおっしゃる方も、自分の好きな人や考えのあう人もフォローしているし、都合の悪い意見や異なる意見も、自分のフィルターを通じて選択している。それは自分の都合にあった作り物の世界だ。僕らを取り巻く現実の世界や世の中は、僕らの都合や希望とは無関係に存在しているはずだ。

SNSのタイムラインは世の中そのものではない

Twitterを眺めていると、週に数回くらいの頻度で、「世間の大半はこのような意見が占めているのに、なぜ世の中は変わらないのだ」というつぶやきが流れてきて「きっつー。この人大丈夫かな」と心配になる。

このような呟きは、ご自身の眺めているタイムラインが世の中そのものだと思い込んでいるから生まれる。くりかえすが、タイムラインは自分にとって都合のいい偽りの世界だ。その視点が完全に欠けているので、大失敗をやらかしてしまうのではないか、と心配になってしまうのだ。

タイムラインは世界や世の中そのものではない。ぬるま湯の世界だ。だからこそ、僕らは居心地をおぼえ、愛着を感じ、そこから離れるのが恐ろしくなる。気になって仕方なくなる。

やめられなくなり、嫌われたくない、と考えるようになる。たとえば学校や会社での人間関係の悩みや仕事の愚痴などをタイムラインにつぶやくと、「いいね!」と付けてくれたり、「大丈夫だよ」と慰めレスをしてくれたり、御親切な人は自身の経験から文字数を超過したアドバイスをレスしてくれたりする。

そのとき僕らはどう感じるだろうか。特別ウザいものでなければ「ありがたい」と感謝の気持ちを持つのが一般的であろう。また、僕には一切ないが、タイムラインに悩みや愚痴を見つけたら「いいね!」をつける人もいる。

このような経験をしていくうちに自分で作り上げた自分に都合のいいタイムラインに対する愛着が深まっていくのは不思議ではない。そして、そんないい思いから離れられなくなる。

もちろん、意味不明の罵声を浴びせてくる人、イヤな奴もタイムラインにあらわれる。だが、そういったノイズはワンクリックでシャットアウトできてしまう。もし、現実の世界でギャーギャー騒ぎ立てる迷惑隣人に遭遇してもワンクリックではシャットアウトできない。

このように現実とは違う自分に都合のいい偽りの楽チン世界なのだ。人間は居心地のいい場所、気持ちいい時間から自分の意志で離れるのは難しい。僕が結婚してからも、毎晩、エロ動画を見るのをやめられないのと同じように。

SNSを完全にヤメられる人は、もともとハマらない人

SNS疲れから脱出したいなら、この居心地の良さと距離を取らなければならない。そんなことが出来るのだろうか。今、この瞬間からヤメられる、もともとSNSにハマらないタイプは別として、それ以外の人は居心地の良さをなかなか捨てられない。

僕はTwitterを2007年から眺めている。何人もヤメる人を見てきた。彼らのほとんどは、同名のまま、あるいは別名でカムバックしている。なかには居心地の良さが忘れられなく戻ってくる人も多いのではないか。

SNSの使い方を限定する人もいる。実は僕もこのパターンである。出勤や退勤の通勤時間だけTwitterを見る。起床後と就寝前のそれぞれ30分だけフェイスブックのアプリを開く。このやり方は、有効であるけれども、結局のところSNSに執着している状態に変わらないので、根本的な解決にはならない。

居心地のいい場所を断つには

SNS疲れを覚えるが、ヤメられないのは、居心地が良いからだ。それが自分の世界のように思え、置いてきぼりになりたくない、という執着になる。この執着をどう断ち切るか、うまく付き合うかが、SNSに消耗しないために重要だ。

現在の僕はSNSに対して、頻繁に利用するTwitterのタイムラインに対して執着はない。いつでもヤメられる。ヤメないのは居心地がいいから、ではなく、便利なツールとして使っているからだ。もちろん、よくやりとりするフォロワーの人たちとのくだらない交流は面白いけれども、依存するほどではない。

ここに至るまでには、いろいろなトライがあった。先ほど述べたように、最初はSNS時間を設定する方法を取り入れていた。だが、うまくいかなかった。その時間が来るのが待てなくて心落ち着かない状態になった。しまいには、「延長戦突入!」といって設定したSNS時間を無視するようになってしまい、この作戦は失敗した。

失敗の原因ははっきりしていた。SNSの居心地の良さから抜け出していなかったからだ。当時の僕はタイムラインが自分の作り出したぬるま湯であることはわかっていた。わかっていたけど、やめられない状態だった。

本来の意味のデスノートはうまくいかない。

SNS依存が完全になくなった

前振りが長くなってしまったが、SNSに消耗せずにうまく付き合うにはどうすればいいのか。結論をいうと、自分とはまったく別のペルソナを持てばうまくいく。

Twitterならアカウントを複数つくる。本アカウントとは別のアカウントを作成して、まったく異なるタイムラインを作成する。この際、無作為にフォローする対象を選ぶ。本アカウントではフォローしていない人をあえてフォローするような「意図」は入れない。

めちゃくちゃなやり方、ランダムに選んで、なるべく自分の意志や意図が反映しないタイムラインをつくるようにする。その作り上げられていないタイムラインを眺めて、本アカウントのタイムラインと比較すると、いかに本アカウントが歪んでいるものなのか、明確にわかる。客観視できる。試してもらいたい。

この作戦で、僕は、タイムラインへの執着、SNSへの依存が完全になくなった。

ポイントは、複数のアカウントをつくることではなく、意図や意志を出来るだけ排除して比較すること。Twitter疲れを覚えたとき、僕は、デスノート的なアカウントを運営して、悪口や怨念をぶちまけた。ムカつくヤツや嫌いな人をフォローして、気持ちの悪いタイムラインを作り、自分の暗部をさらけ出す場所をつくれば、スッキリしてTwitterに疲れを覚えなくなると考えたのだ。

この試みは大失敗で、かえって僕を消耗させた。Twitterにムカついたら、デスノートアカウントに逃げ込んでぶちまけるという負のルーティーンとなった。マイナスな感情からの行為は人間を消耗させる。

タイムラインを客観視するためには、デスノートアカウントではなく、可能な限り意図や意志を排除したタイムラインをつくるのが最も簡単で有効だ。結論をひとことでまとめてしまうと、SNSで消耗しないためにはそこが世界そのものではないと知ること、そのためには自分の意志や意図を入れないタイムラインをつくって比較してみること、以上になる。

SNSにおいてクソリプはエンタメ

最後にSNSでからんでくるメンドーな人について。僕がインターネットで活動をしはじめてから20年になる。その時間で、インターネットにあふれるすべての言葉はクソリプである、という意識をもって接していると心が楽になるということを学んだ。

はっきりいってしまえばSNSは都市を流れる下水道のようなものだ。そこに美しさを求めなければ楽になる。期待しなければ、ときどき宝石が流れてきたときに感動も倍増するという効果もある。

下水道なのでクソも流れてくる。理不尽なことを言ってくる人や、執拗につきまとってくる人だ。そういう人に遭遇すると、ムカっとする。そういうときは、このようなマントラを唱えて消耗しないようにしてもらいたい。「この人はこういうことしか出来ない残念な人なんだ。これまでのうまくいかない人生の憂さ晴らしをしている可哀想な人なんだ。ウンコなんだ」と。それでそのままブロックしてしまえばいい。

人間はマイナスなものを過剰に受け取りがちで、そういうウンコな人にからまれると気分が落ち込み消耗してしまう。だが、そういう方々は存在感が大きいだけである。数で把握するといい。事実、僕はTwitterで3万5千ほどのフォロワーさんがいるけれども、これまでブロックした面倒な人はたった2名である。17500人に1人レベルの人に貴重な時間を消耗させる理由はどこにもない。笑ってやりすごすが、吉である。

執筆

フミコ・フミオ

大学卒業後、営業職として働き続けるサラリーマン。 食品会社の営業部長サンという表の顔とは別に、20世紀末よりネット上に「日記」を公開して以来約20年間ウェブに文章を吐き続けている裏の顔を持つ。 現在は、はてなブログEverything you’ve ever Dreamedを主戦場に行き恥をさらす
Everything you've ever Dreamed : https://delete-all.hatenablog.com/
2021年12月にKADOKAWAより『神・文章術』を発売。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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