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ピンチはチャンス! 新型コロナウイルスがあったからこそ生まれる企画を考えたい。長谷川哲士さん

長谷川さんインタビュー

写真:長谷川さん提供(撮影 フジイセイヤさん)

長谷川 哲士(はせがわ てつじ)さん

島根県松江市生まれ。大学で哲学を勉強し卒業後、リクルートにて求人広告制作に就いた後、リーマンショックで無職になり求人広告を見ることに…。その後、面白法人カヤックを経て、2016年1月に株式会社コピーライター始動。SMAPが解散した2016年12月26日に、株式会社噂を設立しCEOに就任。国内のコピーのアワードやYahoo!のクリエイティブアワードゴールド3冠のほか、文化庁メディア芸術祭、グッドデザイン賞など、広告賞受賞多数。主な仕事『悪魔のおにぎり(ローソン)』『元カレが、サンタクロース。(なんぼや)』『元カレも、今カレも、オカモトです。(オカモト)』など。@aseetsuで本日もツイート中。

各業界の著名人にインタビューをしていく、この企画。今回は自身で会社を創業し、コピーライターとしても活躍している長谷川 哲士さんにお話をうかがいました。今回はZoomを使ったオンラインインタビューとなります。CEOやラッパーとしても活動している多才な長谷川さんにコピーの書き方や企画の考え方について教えてもらいました。

 

オンラインインタビューをおこないました。

リーマンショックの影響で一時期無職に 

ーー長谷川さん、よろしくお願いします! 早速ですが、長谷川さんのこれまでの経歴について教えてください。

お願いします。大学を卒業してからリクルートに就職しました。リクルートではタウンワークの求人広告を制作していましたね。2年半くらい勤めていましたが、リーマンショックの影響で会社を辞めることになりました。その後にフリーランスとして2年ぐらい働いてから、面白法人カヤックを経て2016年1月1日に独立しました。

ーー長谷川さんがおこなっているコピーの作り方について、どのような流れでコピーを考えているか教えてください。

コピーや広告ってクライアントさんから依頼があって始まるものなので、クライアントさんから話を聞いて、その話の中からどうしたら良いかを考えますね。自主企画をしてクライアントさんに売り込むことも無くはないですが、ほぼ無いです。

商品についてはめちゃくちゃ詳しい必要はないと思いますけど、調べられる範囲で調べたり、わからないことがあったら担当者の方に聞くこともあります。世の中でその商品を必要としている人とその商品を売りたい人との接点を探すという感じです。

 

ーークライアントにコピーを提出するまでにコピーは何本ぐらい作るものなんですか?

場合によりますね。多いときは100本以上書くこともありますし、少ないときは1本だけのこともあります。提出するコピー案は3つくらい出しますけどね。 

3つの案のうち、どれが優れてるというよりは、「この言葉だとこういうハードルをクリアできます」とか、「この言葉だとこういう懸念点があります」ということをお話しするんです。その上でクライアントさんに選んでもらいます。 

クライアントさんの好みもあるので、結局は好み次第とも言えますね。

良いコピーはそのまま企画になる

ーーコピーに続いて、広告企画についてお聞きしたいです。どのような流れで広告企画を考えているか教えてください。

コピーとほぼ一緒ですね。企画名がコピーだったり、良いコピーはそのまま企画になっている感じです。クライアントにお話を聞いて、こういう打ち出し方をしたら面白いのかなって考えます。

 

ーー例えば、さくらインターネットのようなサーバーを売ってる会社に関しての企画を考えるとしたらどんなことを考えますか? 

企画はダジャレで考えることが多いですね。サーバーの会社ってなるとサーバーを売りたいってことですよね?

例えば、「今日は花金だから、今日サーバーを申し込んでくれた人にはさくらインターネット特製のビールサーバーが当たります」

こんな感じでサーバー繋がりのダジャレで考えてみたり。

「サーバーを申し込んでくれた人には、さくらインターネットの社員100人が御社のホームページにアクセスしてPVが100上がる”サクラキャンペーン”」

という感じでさくら繋がりのダジャレも考えられますね。

 

他社と比べて良いところがあれば、そこを売りにして考えたりもします。例えば安さが売りだったら「安さ爆発」のキャッチコピーで有名なスーパーさくらやとコラボするとか。

どういうお客さんが多くて、どういうお客さんに商品を売っていきたいかを聞いて考えていきますね。売りたい相手が受験生だったら、「試験もサーバーも落ちたくない」というキャッチコピーも考えられます。

 

ーー短時間でこんなにいろいろな企画案やキャッチコピーが出てくるって、さすがですね!

このくらいしか考えないっていうか(笑)。いや、もうちょっと考えるんですけど、寝かしてからまた考えますね。考えた後にちょっと放置して、また考えることをしています。

短時間で企画案をいろいろ出してくれました。

 

ーーサーバーつながりでお聞きしたいのですが、長谷川さんは普段、どういうウェブサイトやアプリを利用しているんですか?

「痛いニュース」(http://blog.livedoor.jp/dqnplus/)っていうサイトは10年以上見てますね。

 あとはTwitterで拡散されたツイートがまとめてあるサイト(さまざまなめりっと http://blog.livedoor.jp/manamerit/とか、ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞 https://www.1101.com/home.html)くらいです。あまり、多くはチェックしていないですね。

アプリではTwitter、Facebookですかね。情報源はTwitterが多いです。一回仕事した人からFacebookでまた仕事依頼が来ることもあります。

 

ーーここ最近長谷川さんが、このキャッチコピーはいいなと思ったものがあれば教えて欲しいです。

キャッチコピーではないんですけど、最近だと日本テレビの藤井貴彦アナウンサーがnews every.で話した「命より大切な食事会やパーティーはありません」という言葉が良いなと思いました。

あと、滝沢カレンさんが自分の本を出したんですけど、本に入っているスリップの内側に書店員さん向けのメッセージを書いていたのも良かったですね。メッセージの内容というよりは、この場所を使って書店員さんに感謝を伝えるというのが、誰も思いついていないことで素晴らしいと思いました。

 

 あさがお(@asagao8110)さんのTwitterより

会社は雑談をする場所

ーー最近は新型コロナウイルスの影響でリモートワークをしている方が多いと思うのですが、長谷川さんはリモートワークをしてみて良かった点と辛い点ってありますか?

リモートワークで良い点は移動時間が無くなることです。これは楽ですね。時間の制約や遅刻も無くなりました。会社って雑談をする場所だと思っているので、会社にはご飯を食べに行くって感じなんです。

リモートワークで辛い点は人としゃべる時間が減ったことです。もう少し、しゃべる時間が欲しいかな。

 

ーーSNSのフォロワーが多いですが、SNSを運用するうえで意識していることがあれば教えてください。

ぼくのTwitter自体はフォロワーが多くても意味がないと思っているんで、趣味でやってるって感じですね。

 

ーーメディアのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、長谷川さんが今後やりたいと思っていることを教えてください。

今は新型コロナの影響で時代が変わってしまってピンチなんですけど、ここがチャンスでもあるので、コロナがあったからこそ生まれた企画みたいな、それいいよねっていう仕事ができたらいいですね。

 

 

執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

編集

武田 伸子

2014年に中途でさくらインターネットに入社。「さくらのユーザ通信」(メルマガ)やさくマガの編集を担当している。1児の母。おいしいごはんとお酒が好き。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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